2014年06月12日

第10回「B型肝炎給付金について」

1 B型肝炎とは、B型肝炎ウイルスに感染することによって発症する肝炎のことです。
  ウイルスを排除しようとする免疫反応により、自らの肝細胞を破壊し、肝臓に炎症を引き起こします。
  慢性化して長期化すると、肝硬変や肝がんを発症することがあります。

2 基本的には血液感染で、原因としては、母子感染や集団予防接種などがあります。
  予防注射は、現在は、1回1回取り替えていますが、以前は、使い回しをしていました。
  それが原因で、B型肝炎に罹患された方が大勢います。

3 平成24年1月13日に、予防注射が原因でB型肝炎に罹患した方々に対して給付金を支給する「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法」が施行されました。
  この特措法は、5年間の時限立法となっています。

4 昭和16年7月2日から昭和63年1月27日までの間に生まれた方で、7歳になるまでに集団予防接種を受けた方などが支給の対象となります。
  
5 請求方法としては、まず、国に対して、国家賠償請求という訴訟を起こします。
  そこで、「予防注射が原因でB型肝炎に罹患した」ということになれば、和解が成立します。
  そして、「社会保険診療報酬支払基金」というところに、給付金の請求をすると、病気の態様に応じた給付金が支給されます。
  例えば、重度の肝硬変の方には、3600万円が支給されます。

6 B型肝炎ウイルスには感染していても症状の出ていない方、いわゆる「キャリア」の方にも給付金が支給されます。
  B型肝炎の検査は、各自治体が無料、あるいは低廉な費用で行っていますので、一度検査しておくといいと思います。

7 「裁判」というと大変そうですが、どのような場合に給付金が支給されるか、どのような資料が必要か、というのは予め決められているので、一般の方がイメージする国を相手とした裁判とは違います。
  ただ、裁判所に出廷したり、資料を集めたりというのは大変だと思います。
  J.ウィング総合法律事務所では、そのような方のために、代理して手続を進めていきます。

  
  B型肝炎給付金請求のことなら、J.ウィング総合法律事務所まで。
  http://jwing-lawoffice.com
  東京都新宿区高田馬場1-28-18 和光ビル407


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posted by 弁護士羽賀裕之 at 20:36| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

第9回「契約のキャンセルについて」

1 質問
  「先日、某音楽教室に入会しました。
   最初にかかる費用は、入会金、教材費、2か月分のレッスン費用です。入会金は、その月の末まで半額だったので、急いで入会しました。
   翌日、費用の計算方法に疑問があったので、再度教室に伺うと、『一旦教材を購入すると返金は無理』とキャンセルを断られてしまいました。
   費用の計算方法のどこが疑問だったかというと、レッスン費用は『月3回でいくら』と決められているのですが、月のレッスン回数を減らしても、レッスン費用は変わらない点です。
   これだと、1回あたりのレッスン費用が高くなってしまうので。
   キャンセルは出来ないのでしょうか?」

2 音楽教室に入会したけれども、費用の計算方法に納得がいかず、キャンセルしたいということですね。
  まず、キャンセルに関しては、「クーリングオフ」という制度があります。
  「クーリングオフ」というのは、契約した後、頭を冷やして冷静に考え直す時間を消費者に与え、一定期間内であれば無条件で契約を解除することができる特別な制度のことをいいます。
  契約というのは、一旦成立すると、当事者双方を拘束し、守らなければならないのが原則ですが、この原則に例外を設けたのが、この「クーリングオフ」という制度です。

3 「クーリングオフ」は、いくつかの法律によって、定められていますが、その代表が「特定商取引法」という法律です。
  特定商取引法には、エステサロンや学習塾など継続的なサービスを内容とするものについて規制しています。これらは「特定継続的役務提供」と呼ばれます。
  しかし、特定商取引法では、全ての継続的サービスを適用対象としているのではなく、今述べたエステサロンや語学教室など6種類に限定しています。
  今回の音楽教室は、この「特定継続的役務提供」に含まれていません。

4 もっとも、キャンセルできる可能性が全くないわけではありません。
  消費者を保護する法律としては、特定商取引法の他に、「消費者契約法」というのがあります。
  消費者契約法8条から10条には、契約者に不当に不利益を及ぼす条項は、無効になると定められています。
  今回と似たような事例で、進学塾の受講契約の中途解約を制限し、受講料などの返還を認めない特約について、無効とした判例があります。
  今回の事例でも、契約翌日にキャンセルを申し出ていて、キャンセルを認めたからといって、音楽教室にの方に特段の不利益・損害が生じるかというと、そうではないと思われますので、「教材購入後は一切キャンセルを認めない条項」は無効になる可能性があります。
  そして、音楽教室のレッスンというのは、民法上の準委任契約というものにあたり、これは、原則としていつでも解除することができます。
  したがって、今回のケースでもキャンセル出来る可能性があります。

5 業者に対し、キャンセルや返金を求めることは、本人でも可能ですが、クーリングオフなどは、期間制限もあるので、弁護士に頼んで、書面で業者に通告したほうがいいでしょう。
  
  クーリングオフなどのご相談は、J.ウィング総合法律事務所まで。
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posted by 弁護士羽賀裕之 at 19:57| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

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