「半年前に知人の紹介で、『未公開株を今買うと数か月で倍になる』と言われ、100万円でその株を購入しましたが、先日その会社は倒産したとの話でした。
100万円は返ってこないのでしょうか?
先輩に相談したら、『それは無理。楽して倍になるという選択をしたのは、あなたが甘い。そんな簡単にはお金が儲かることはない』と言われました。」
2 いわゆる未公開株詐欺というものです。
未公開株とは、証券取引所に上場されていない株式のことをいいます。
上場されていませんので、証券取引所で売買をすることができません。
未公開株を販売できるのは、当該未公開株の発行会社や登録を受けた証券会社に限られます。
証券会社における販売においても、「グリーンシート銘柄」と呼ばれる株式以外の販売はしていません。
よって、少なくとも発行会社や登録を受けた証券会社以外からの勧誘の場合は、詐欺の可能性が非常に高いです。
3 このような場合、交渉や訴訟によって、返金を求めていって、返金がなされる可能性もあります。
もっとも100%戻ってくるとは限りません。
詐欺を働くようなところは、逃げてしまうなどして、回収できないことがあるからです。
4 ところで、「株式」というのは、簡単に言うと、株式会社に対する持分のことを言います。
会社に対して出資をしたということは、「物」で言えば所有権を取得したことになります。ただ、会社は「物」ではないので、「持分」という、「会社に対して色々な権利を持つ地位」を持つことになります。
そして、会社に対する持分が「株式」という形を取っているのが、株式会社となります。
「株式」のこのような性質から、当然、「株式」には財産的価値があり、投資家の方々は、「株式」を売買することによって利益を上げます。
5 「社員」というと、一般的には、「会社で働いている人」つまり従業員を指します。
しかし、法律用語においては、「社員」とは、会社に対して持分を有している人、株式会社で言えば「株主」を指します。
話はそれますが、このように同じ言葉でも、一般的な意味と法律用語としての意味が違うものがあります。
たとえば、「善意」と「悪意」といったら、一般的にはどのような意味になるでしょうか?
「善意」は、相手によい結果を導こうとして行為を行う気持ち、「悪意」とは、その反対で、相手のよくない結果を望む心を指すと思います。
しかし、法律用語においては、「善意」とは、「ある物事について知らないこと」、「悪意」とは、「ある物事を知っていること」をいいます。
知っていた場合と知らない場合で、効果を分けなければいけない場合があるので、このような法律用語が使われます。
詐欺に関するご相談は、J.ウィング総合法律事務所(弁護士羽賀裕之)まで。
http://jwing-lawoffice.com
東京都新宿区高田馬場1-28-18 和光ビル407
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